

| 1997年 日本 ヴィスタサイズ(1時間35分) | |
| 製作・配給 | ビターズ・エンド |
| 監督・構成 | 諏訪敦彦 |
| エグゼクティヴプロデューサー・美術 | 磯見俊裕 |
| 撮影 | 田村正毅 |
| キャスト・ダイアローグ | 柳愛里 西島秀俊 渡辺真起子 中村久美 |
| 今この原稿を書いている周りにも、恋人たちがたくさんいる。みんな楽しそうだ。けれども、恋人と二人でいるって、いつもそんなに楽しい、素敵なだけのことだろうか。互いにとって互いが欠けがいのない大切な存在であるからこそ、一つ歯車が狂った時、その切なさ、苦痛は、二人の想いが深ければ深い程より耐え難いものになるのではないだろうか。 「2/デュオ」はそんな二人の物語。ありふれた同棲中の男女が、ふとしたことから何かがおかしくなってしまう。気まずい沈黙、ヒステリックないらだち、ののしり合い、傷つけ合い、仲直りしたとたんに、またすねたり、衝動的に乱暴になったり・・・恋人を見失い、自分の姿さえ見えなくなってしまう二人。その心の軋みはあまりに痛い。 これが第一回監督作品となる諏訪敦彦は、驚くべき手法で本作をつくり上げた。それは、脚本を捨て、わずか10ページ程の簡単なアウトラインだけのテキストで撮影を開始したのだ。その中で、自ら台詞を生み出し、まさにその瞬間を生きようとする、恋人たちを演じた柳愛里と西島秀俊。ドキュメンタリーの様に、二度とはない演技を鋭敏な感覚でとらえるベテランキャメラマン田村正毅。スタッフ、キャストのインプロヴィゼーション(即興演奏)から生まれる映像。二人の恋人たちを巡る物語の結末が誰にもわからないが故に、息苦しいほどの緊張感漲る奇跡的な映画がここに誕生した。 彷徨う二人から目をそむけずに見守ることは、我々にとってあまりに切な過ぎる。けれども、同時にそんな二人がたまらなく愛しくなってくる。恋することがつらくなったって、所詮人は一人では生きていけない。「2/デュオ」は、負の面をすべて受け入れながらも、愛することの尊さ、勇気を教えてくれる。 (プレス+波嵐万丈)
■監督 諏訪敦彦60年生まれ。広島県出身。山本政志、長崎俊一、石井聰亙、山川直人らの助監督を務め、インディペント作品をスタッフとして支える一方、16mm、8mm作品を発表する。90年からはテレビドキュメンタリーの演出も始める。尚、95年坂口安吾のドキュメンタリー撮影の為、シネ・ウインドに来館したことがある。 本作が、長編第一作となる。 ■柳愛里(優) 71年神奈川県出身。芥川賞作家柳美里は実姉になる。東京キッドブラザーズ、姉の主宰する青春五月党の舞台を経て、95年神代辰巳の遺作「インモラル 淫らな関係」に主演し、鮮烈な印象を残す。<他の出演作品>「FLIRT」(ハル・ハートリー)、「東京日和」(竹中直人) ■西島秀俊(圭) 71年東京都出身。数多くのテレビドラマに出演する一方で、「居酒屋ゆうれい」(渡邊孝好)等意欲作品に次々と出演し、96年「ウーマン・イン・ブラック」(パルコ劇場)で舞台にも活動の場を広げる。 <他の出演作品>「大失恋。」(大森一樹)、「マークスの山」(崔洋一)等。 〜 月刊ウインド1998年9月号より転載 〜 |
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